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清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会のブログです。イベントや川の様子をお知らせします。手渡す会のHPはこちら↓ http://tewatasukai.com/


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第八回球磨川治水対策協議会に対する意見

2018年4月16日に「子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会」「清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会」の連盟で下記の意見書を、国土交通省八代工事事務所に提出しました。


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2018年 4月 16

九州地方整備局長   増田博行殿 

熊本県知事      蒲島郁夫殿


       第八回球磨川治水対策協議会に対する意見


子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会代表    中島  康      

清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会共同代表  緒方俊一郎

  岐部 廣明


】一番大切なことは最近の豪雨災害を球磨川流域で検証すること


 甚大な災害を引き起こす局所集中豪雨の災害は山から始まっている。山の問題を無視する治水対策は現在多発している局所集中豪雨による災害防止には全く役に立っていない。また、鬼怒川が教えてくれているように、幾つダムがあっても甚大な水害は防止出来ないことも明らかになっている。これが局所集中豪雨災害の実態である。

この事実そこが、球磨川流域においても当面している最も重大な課題である。なぜ、球磨川治水対策協議会は、この当面している現実の課題に背を向け、誰にも科学的には想定することも出来ない1000年に一度の豪雨などを捏造し、流域に途方もない災害が発生するかのような空想の水害を住民に押し付けているのか。

 このような球磨川治水対策協議会の対応は、私たち球磨川流域に暮らす住民から見ると、とても流域住民の安全に責任をもつ人たちが取り組んでいるものであるとは言えない。いま、必要なことは3~4時間降り続く1時間に100ミリ前後の集中豪雨が引き起こす災害を局所ごとに分析し、流域として何をすべきかを明らかにすることではないか。

 球磨川水系流域の荒廃は急速に進行し続けている。これを放置したまま、治水だけを論じてもなんの役にも立たないばかりか、災害を拡大させてしまう結果を招くだけであろう。


】昭和40水害の取り上げ方は住民の防災を無視したもの


 球磨川治水対策協議会が流域住民の防災に全く責任を果たそうとしていないもう一つの問題は昭和40年の水害の取り上げ方にある。

 人吉地点において、洪水が引き起こす災害防止対策を考える上で重要な事実は、昭和40年の洪水の発生が引き起こした災害と昭和40年より大きな洪水が発生した昭和57年の災害の発生の仕方の大きな違いである。この事実を基にすれば、昭和40年水害は自然現象ではなく、球磨川に施した治水対策が引き起こしたものでしかないことが明白な事実となって浮かび上がってくるのだ。

 ところが、「ダムによらない治水を検討する場」においても、「球磨川治水対策協議会」においても、この事実を全く無視し、一貫して昭和40年の洪水と水害だけを取り上げ、被害の大きさだけを一面的に強調し続けている。なんのためにこのような偏屈な対応に固守し続けるのだろうか。ここから言えることは、災害を防止する意識などは当初から無く、行政の権威を守るための治水のための治水をただ押し進めるに過ぎないということだ。

 流域住民の命を守るという立場に立っているならば、自分たちの考える治水に都合のよい事柄だけを取り立てるようなことはしないであろう。川に対してどのような治水対策を施したたら、どのような災害が発生したかを真摯に分析する筈である。

 もう一度、繰り返そう。昭和40年水害は球磨川に持ち込んだ治水対策が引き起こしたものである。この事実は昭和57年洪水が証明している。

 いま、大切なのは、現在流域でどのような災害が発生しているかを記述し、何故、このような災害が発生しているかを明らかにしていくことである。いま、球磨川は流域の山地に爆弾を抱えているのである。


】防災と川の保全のため市房ダム再開発に手を出してはならない


 2017年に国交省はダム再生ビジョンなるものを発表した。このビジョンのモデルのひとつに鶴田ダム再再開発も存在している。私たちは、この再生ビジョンの具体的な実態を知るために度々川内川を訪れた。そこで目撃するものは、巨大なコンクリートの要壁と化した鶴田ダムとコンクリート張りの用水路に変わり果てた川内川の姿であった。

それに加えて、これらの治水施設では防止することが出来ない甚大な災害が発生するから、住民は主体的に防災意識を身につけろと言っているのだ。もはや、治水対策というものは利権の為だけにだけ存在している技術に過ぎないものと化しているのだ。

一方、県は球磨川流域の実態も球磨川の実態も無視して市房ダムの賛美を続けている。しかし、どんなに県が市房ダムを賛美しようとも、球磨川流域はあらゆる面で衰退し続けている。若者が減り続けているだけではなく、老人までもが減少し続けている地域なのだ。水上村には「新しい道が造られる度に人がいなくなっていく」という言葉がある。開発が地域を滅ぼしているのが球磨川流域の実態である。

農業は衰退の一途を辿り、球磨川は荒れ果てたヘドロ川となった。市房ダムは百害あって一利なしと悟った流域住民が川辺川ダム建設に反対してきた事を忘れはならない。市房ダムは川辺川ダム建設反対の原点であるのだ。


瀬戸石ダム撤去への対応は無責任そのもの


 球磨川治水対策協議会は平成29年に実施した意見募集を踏まえて、電源開発に対し質問状を提出し、その結果を公表しているが、ここには二つの重大な問題がある。

 その一つは、球磨川治水対策協議会の質問者としての主体性は完全に欠如していることである。住民は治水対策の問題として瀬戸石ダム撤去を求める意見を球磨川治水対策協議会に対して提出したのであって、電源開発に向けて意見を述べたのではない。

 瀬戸石ダム周辺の住民は、ダムが引き起こしている異常な堆砂により、水害の危機に直面しながら暮らしている。これは、瀬戸石ダム撤去の主要な根拠の一つである。≪註≫もう一つの根拠は瀬戸石ダムが球磨川の生態系を破壊していることである。

 この問題を球磨川治水対策協議会としてどうとらえているのかを答えるのが筋であり、電源開発に振ってしまう行為は許されるものではない。流域住民は荒瀬ダム撤去は、周辺住民が直面していた水害の危機から脱出したことを具体的に認識しているのだ。この様な事実に基づく住民の意見をはぐらかすようでは、球磨川の治水対策を考える資格もない。

 二つ目は、電源開発の回答の内容である。住民が提出した意見はダムが水害の危険物になっているので撤去を求めているのに対し何一つ答えていないことである。それにもかかわらず、この回答をよしとしてしまった球磨川治水対策協議会の態度には強い怒りをもつ。

 最後に、ダムによる発電は二酸化炭素を発生させないからクリーンだと称してダムを正当化する考えは誤りであることにふれておく。大気汚染という自然破壊はしてないとしても、ダムは川をまるごと破壊する自然破壊を引き起こしているのだ。自然保護の立場からすれば、ダムもクリーンなものではないのだ。流域住民がダム建設に反対して続けている一番の根源は球磨川流域の豊かな自然を守る為であることを心に留め置いて欲しい。

 ここでも、もう一度繰り返す。荒瀬ダム撤去は住民にとっても、球磨川にとっても、すべてが良いことづくしなのである。


by tewatasukai | 2018-05-13 21:44 | 報告